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第17回NED「SNS時代の劇場アニメの変化への対応」レポート

2017年7月20日にアニメ×企業プロモーションを考えるセミナー「NED」の第17回をTokyoOtakuMode様の会場をお借りして実施しました。
※NEDとはNijigen Entertainment Designの略

近年、アニメーション映画(以下アニメ映画)が盛り上がりを見せている。『この世界の片隅に』(2016年公開)は、クラウドファンディングで制作資金3900万円を集め、作品自体もSNS上での口コミで大きな話題となった。また『君の名は。』(2016年公開)は、興行収入250億円を突破し、歴代邦画ランキング2位に輝いた。他にも多くのアニメ映画が公開されているが、ヒットの要因にはSNSが深く関係していると考える。

今回の「NED」では、「SNS時代の劇場アニメの変化への対応」をテーマに、アニメ映画のプロデューサーも務めるウルトラスーパーピクチャーズ平澤直氏を迎え、対談をおこなった。

人気の鍵は「友達を誘えるかどうか」

平澤氏曰く、アニメ映画の人気には「友達を誘えるかどうか」が1つのキーになるとのこと。ここ数年、世間のアニメに対するハードルが下がったことにより、友達を誘える体験消費型映画の選択肢にアニメが入って来たそうだ。

アニメ映画の分類は大きく分けて2つ

アニメ映画の分類は、公開前からベースとなるファンがいるか否かに分けられる。

原作が人気漫画であったり、テレビ版が放映されていたりする場合、その映画は公開前からファンのベースができていると言える。ただし、このような映画は、元々のファンに向けた「ファンムービー」として、制作・プロモーションを行うことが前提となるだろう。

一方、前者のようなベースを持たないアニメ映画は、その作品に携わる監督やクリエイターの名前を全面に打ち出していき、その人物につくファンを呼び込む方法がひとつには考えられる。また、こういったオリジナルのアニメ映画は、ベースとなるファンがいないことからむしろ「友達を誘える」ような間口の広い作品作りを行う傾向にあるのではないか。平澤氏はこのように語る。

『君の名は。』のSNSによるファンベース作り

記事の冒頭であげた『君の名は。』は、作品自体にはベースとなるファンがいないアニメ映画に分類できる。しかし、公開前からTwitter上では25,000件も作品名がつぶやかれていた。インサイトの分析から、この件数には新海誠監督のファンや音楽を担当したロックバンド・RADWIMPSも含まれていることがデータとして確認できる。両者は自身のアカウントを持っているため、発信された映画の情報はその都度ファンの目に入ることになるのだ。

また、『君の名は。』の公式Twitterアカウントが交流していたのが、「映画ナタリー」「ねとらぼ」などのメディアの公式アカウントであることも、ひとつの特徴といえる。従来のアニメ映画公式アカウントは、監督やキャストのアカウントにリプライを送ることが多いため、このようなケースは珍しいと考える。

このように、個人アカウントを持つクリエイターの情報発信やメディアとの交流が、SNSに大きく寄与し、公開前から認知度を上げ、25,000件という数字を作り出したと考えられる。

アニメ映画のプロモーションは知人のお勧めが有効?

NEDでは、今後、アニメ映画はどのようにプロモーションをおこなっていけばよいのかについても議論を行った。

これまでのアニメ映画、特に公開前からコアファンのついている作品は、メジャー感を創出して盛り上げていくために、路面広告を出してきた。このような伝統的な広告が用いられる一方で、現代では人々との接触時間の長いWebメディアがプロモーションの中心となっている。平澤氏は、「作品が他の人に勧められていく連鎖の中に作品があることが重要」だとして、次のように述べる。

「“テレビで流れていたから”とか“好きな監督だから”と同じぐらい大きな割合を“友達に勧められたから”というポイントが占めています。特に作品によっては、そちらのほうが大きいものも最近はあるかなと思っています」と平澤氏。

語弊もあるかもしれないが、LINEやTwitterで気軽に友達を映画に誘える現代で、他の人に勧める連鎖を生み出すためには、タイトル立ち上げのときから観客となり得る人々から「自分のための作品」だと関連付けてもらえるようなSNSを意識した戦略的なキャスティングをしていくのも一つの手であると考える。

企業はいかにしてアニメ映画を活用できるか

また、企業はどのようにしてアニメ映画を自社商品のプロモーションに活用していけるのだろうか。『君の名は。』で言えば、アニメを活用したクリエイティブやプロモーションなどを表彰する「アニものづくりアワード」で総合グランプリを受賞したサントリーと「天然水」と『君の名は』のコラボレーションCMもあった。ただし、莫大な宣伝費によるマスのTVCMに終始することなく、マスのSNS・Webプロモーションとして、アニメ映画のイラストやプロダクトプレイスメントだけでなく、キャスティングをもうまく活用したSNS・WEBプロモーションへの可能性を研究提案していきたいとし、本セミナーの帰結とした。

※本イベントの様子を「logmi(ログミー)」にて掲載いただきました。
第17回NED SNS時代の劇場アニメの変化への対応に関するイベントや講演会、インタビューの記事(ログミー) 

≪NEDとは?≫

2013年よりシェアコトが不定期でおこなう無料のビジネスセミナー。毎回ゲストを招き、アニメコンテンツマーケティングの担当者と対談をおこなう。過去には「企業キャラクターコミュニケーション」「企業はなぜアニメを使ったプロモーションをするのか」などの特集も。

・第10回NED:ただのコラボには興味ありません!! 飽和する“アニメ×企業”プロモーション成否のカギとは?(おたぽる)
・第8回NED:成功の秘訣は「二次創作」!? pixiv、カゲプロに学ぶサブカルを利用した企業プロモーション(おたぽる)
・第7回NED:マイクロソフトやGMOなど、大手IT企業はなぜコミケに参加するのか!? C85出展企業が語るその理由(おたぽる)
・第4回NED:企業のキャラクターコミュニケーション(萌)(asianbeat)
・第3回NED:腐女子が腐女子について語る(asianbeat)
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