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コラム

「タイアップ」と「オリジナル」二つの事例に見るVTuber×企業マーケティング

SHAREPOPではこれまで様々な方向からバーチャルYouTuberについて分析し、企業とのコラボレーションなど更なる発展への可能性を探ってきましたが、2017年末より始まったムーブメントも半年を迎えようかという現在の段階において、現実として企業とのコラボレーションや企業やコンテンツがバーチャルYouTuberをPRに使用するというような事例も増えてきました。

今回はそんなバーチャルYouTuberと企業の関わり方について、実際のコラボレーション事例であるローソンによる「キズナアイキャンペーン」とロート製薬発のバーチャルYouTuberもとい公式YouTuber社員としてデビューした「根羽清ココロ」についてまとめ、企業×バーチャルYouTuberの在り方について考えてみたいと思います。

1.ローソン「キズナアイキャンペーン」


アニメコンテンツとコンビニのタイアップはもはや珍しいものでもなくなってきましたがバーチャルYouTuberのタイアップはもちろん初めてのことです。
内容としてはコラボレーション動画の公開、ラバーストラップやクリアファイルといったグッズの店舗での発売、また特定の店舗はコラボ店舗として展開し、アクリルスタンドやタペストリーなどの限定グッズの販売も行われました。

さらに今回のキャンペーンにあたってアイちゃんのキャラクターデザインをした森倉円先生がデザインした新衣装もお披露目、これまでとは意匠の異なる華やかなデザインでファンにも好評でした。

アニメコンテンツのタイアップが多くなったとはいえ、コンビニという多くの人の目に触れる場所での展開は認知の拡大に多大な効果をもたらすでしょう。内容としてはファン向けではあるものの、VTuber全体の更なる展開にも繋がる意義のあるコラボレーションになっているのではないでしょうか。

2.ロート製薬「根羽清ココロ」

山佐株式会社がプロデュースする虹河ラキちゃんや「ウマ娘 プリティーダービー」の宣伝担当のゴールドシップなど企業やコンテンツが直接VTuberをPRに起用する事例も増えてきました。

とはいえエンタメやアニメなど親和性の高い企業やコンテンツによるものがほとんどだった中で、ロート製薬によるVTuberプロデュースは大きな話題になりました。そうして始まった「根羽清ココロ」はロート製薬公式YouTuber社員としてデビューし、チャンネル登録者数は1,3万人と順調なスタートを切っています。

内容としてはロート製薬の紹介や、健康について伝えていくとのことですが、今のところは自己紹介動画など比較的VTuberのフォーマットに則った動画を週一回ほどのペースで投稿しています。レベルの高いモデリングや、不意に出る関西弁などキャラクターとしての魅力は抜群で、まだ動画の数は少ないですがYouTubeのコメント欄も大きく盛り上がっています。

ロート製薬は初音ミクとのコラボレーション実績がある比較的親和性が高い企業ですが、そうしたアニメやエンタメではなく一般にも広く知られた企業によるオリジナルバーチャルYouTuberの展開は、コア層からライト層へ認知を広げていくことにも期待が出来そうです。

3.「タイアップ」と「オリジナル」

ブームが勢いを増し続けた結果、やや落ち着き、文化になろうとしている今のタイミングでのバーチャルYouTuberによるPRは前例が少ない分チャレンジングですが、ほぼ連日なにかしらの形でSNSで話題になり続け、特にタイアップやTV出演など他と関わる際には大きな反響が起きていることを考えると可能性は大きいと考えます。

今回取り上げた二つの例はバーチャルYouTuberによるプロモーションという点では同じですが、元から活躍しているキャラクターとオリジナルのキャラクターという点で性質が異なります。見た目にも大きく違うのはわかりますが、内容的にはどのような差があるのでしょうか。

既存のキャラクターとのタイアップは、まず大きなメリットとして既に出来上がったファンコミュニティにアプローチ出来るということがあります。アイちゃんの場合はYouTubeのチャンネル登録者数が190万人を越え、Twitterのフォロワーも40万人以上とバーチャルYouTuberで最大のファン数を誇るのはもちろんのこと、生身のタレントと比較してもひけをとりません。

反面気をつけなくてはいけないこととしては、既に存在するファンコミュニティを意識するが故に偏った内容になってしまうということです。約200万人のファンがいるとはいえ更なる広がりを考えなければ、タイアップの価値が半減してしまうのではないでしょうか。育ってきた文化をさらに成長させていくことがタイアップする企業側に求められると個人的には思います。。ただタイアップするのではなく、内容も考えなくてはいけないのは何においても言えることですが、バーチャルYouTuberの場合、テクノロジー的な面から見ても個性の強さという点から見ても効果的なプロモーション方法を他より慎重に考えることがポイントです。

バーチャルYouTuberのタレント性、キャラクター性にフォーカスする場合のプロモーションの有用性と注意点については以前の記事でも取り上げているので参照していただければと思いますが、他のやり方について考えた時に浮かんでくるのがオリジナルのキャラクターによるプロモーションです。

オリジナルのキャラクターを1から作り上げることは、上記で上げた既に活躍するキャラクターとのタイアップにおける利点を計算しづらいことや、立ち上げに関するコストがさらにかかるなど懸念すべき点もありますが、メリットとしてはオリジナルのキャラクターを1から作り上げることは、上記で上げた既に活躍するキャラクターとのタイアップにおける利点を計算しづらいことや、立ち上げに関するコストがさらにかかるなど懸念すべき点もありますが、メリットとしてはコンテンツだけでなくキャラクターの成長を一緒に見守ることでエンゲージメントの高いコミュニティを築くことに繋がるということです。プロモーション戦略としては一長一短なところではありますが、熱量の高いいわゆる太いファンを獲得できれば、長期的なプロモーションに期待が持てるでしょう。ということです。プロモーション戦略としては一長一短なところではありますが、熱量の高いいわゆる太いファンを獲得できれば、長期的なプロモーションに期待が持てるでしょう。

バーチャルYouTuberは個人のクリエイティブの発揮の場として成長してきた部分があるので、企業が表立って関わることはクリエイターも含めたコミュニティに反感を生むことになるのではないかと懸念されていましたが、実際されてみるとそんなことはなく、平等に受け入れられている印象です。それはもちろんただうわべだけを掬うのではない丁寧なアプローチがあってのことですが、多様性を受容する懐の深さというかなんでも面白がる度量がコミュニティ全体にあるのかもしれません。

オリジナルキャラクターでのプロモーションはタイアップに比べて短期的なプロモーションには向かないということは考慮すべき点ではあります。オリジナルのキャラクターを運用していく上での狙いであるエンゲージメントの高いファンコミュニティ作りにはどうしてもある程度の活動期間が必要な上に、何をどのようにすべきかは前例もなく変わり続けるムーブメントの中で常に考え続けなくてはいけません。しかしバーチャルYouTuberがこれまでのものよりファンとの距離が近いムーブメントということを考えると、これまでにないプロモーション方法も模索していけるでしょう。

4.まとめ

さて「タイアップ」と「オリジナル」という方法でのバーチャルYouTuberプロモーションについて考えてみましたが、まとめると

  • 「タイアップ」の強みとしては既にある熱量の高いファンコミュニティにアプローチ出来、短期的なプロモーションには向くが、熱量の高さに伴って取り回しのコントロールが重要。
  • 「オリジナル」の強みとしてはエンゲージメントの高いコミュニティを築くことが出来、長期的なプロモーションに期待が出来る。その分のランニングコストも考慮にいれた本腰を入れた企業としての覚悟と運営体制は必要。

適当にやって成功することは何においてもあり得ないことではありますが、誰にも予測できない速度と規模で成長を続けるバーチャルYouTuberと関わっていくには、覚悟と誠意を持って接することが必要で、まだ見ぬ未来の価値を創造していくバーチャルYouTuberとプロモーションの相性は未知数なものの意義としても大きく、取り組む価値はあるのではないでしょうか。

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