
バーチャルSHOWROOMER『東雲めぐ』から確信したライブ動画時代の「二次創作ギフト」という考え方
最近、バーチャルYouTuberからの流れから、いろいろ調べてたんですが、2018年2月27日に誕生した、バーチャルSHOWROOMER『東雲めぐ』について、調べているうちにちょっとしたキャラクター成長曲線の変化を感じたので書きたいと思います。
「バーチャルSHOWROOMER『東雲めぐ』」とは、SHOWROOM株式会社が運営する仮想ライブ空間「SHOWROOM」で活動するバーチャルキャラクターです。1月にオーディションが行われ、デビューしました。
現在のところは一人の配信者として配信を行うことがメインとなっています。
「AniCast」を使い、SHOWROOMのギフティングと公式にシステム連動した「バーチャルギフティング」システムを使っているので、東雲めぐに使ったギフトは画面の中にリアルに落ちてきて面白いです。
タイムラインに流れてきたバーチャルSHOWROOMERとやらを見てたんだけど、めっちゃくちゃ可愛かった。
表情豊かで、ギフトアイテムとかコメントとか触ったりしてて、こんなことまでできるのだと感心した。
3DCGの未来は明るい。#東雲めぐ pic.twitter.com/AOPMoHsUJ3— alaki paca (@arabiiiiiiiiiii) 2018年3月1日
運営には、株式会社シーエスレポーターズのアニメVR/ARブランド「Gugenka® from CS-REPORTERS.INC」と、株式会社エクシヴィなど、いくつかの企業が関わっているようで、SHOWROOM株式会社のキャラクターというわけではないようです。
『東雲めぐ』は歌手を夢見る中学3年生で、みんなの「おんち」を浄化するプロジェクトにまきこまれ・・・という「うたっておんぷっコ♪」という女児向け番組のキャラクターとのことなのですが、そのあたりの設定や展開はまだこれからなのかなと思います。
現在、Twitterのフォロワーは2,000人ちょっと。2月27日に開始したばかりなので、増加のスピードはなかなか速いです。きっとこの記事を公開した時にはもっと増えていると思います。バーチャルYouTuber同様に若い男性中心ですね。
二次創作ギフトはクローズドな自己満足からリアルなオープンコミュニケーションに。
さて、本題ですが、今回SHAREPOP的に言いたいのは、運営元とか技術とかではなく、『東雲めぐ』や、バーチャルユーチューバーを通して、二次創作の形が変わってきたと確信したので、そのことを書きたいと思います。バーチャルキャラクターに対して行われる二次創作をSHAREPOPでは勝手に『二次創作ギフト』と名付けます。
バーチャルYouTuber『キズナアイ』を調べたときから思っていたのですが、なんかTwitterにあがってる頻度に比べて、Pixivの投稿が少ないなと。
だって、Twitter上には毎日関連タグが1,000件くらいあるわけですよ。でも、Pixivに1,893件しか上がっていない。これは今までアニメコンテンツとその二次創作の派生を定点観測してきた僕としては少なすぎる・・・違和感を感じていました。
今までのアニメコンテンツですと、イラストを中心とした二次創作はまずは一時メディアとして、Pixivに上がることが多かった印象があります。そこからTwitterへの連動と拡散がなされていたと思うのです。
しかし、今回、その違和感をバーチャルSHOWROOMER『東雲めぐ』を見ていて、クリアになりすっきりしました。
なぜすっきりしたのか、それは。『東雲めぐ』の関連ハッシュタグ「#東雲めぐ」は、Twitter上にはオーディションが終わった2月12日以降、毎日30件程出ていますが、Pixivには現在0件だからです。
どういう意味か?
これまでの二次創作はあくまで二次創作であり、非公式なわけで、どちらかというと自らの創作意欲を中心に限られたプラットフォームで表現していたのだと思います。
しかし、バーチャルYouTuberも、バーチャルSHOWROOMERも、二次創作を積極的に公式ツイッターでRTしたり、コメントしたり、番組で取り上げて喜んだり、モデルを配布したりしているわけです。
そうなると、二次創作は急に公認のクリエイティブに変わるわけで、創作者はTwitterにリアルタイムでアップして、なんだったらメンションとかタグとかつけて公式にお知らせしてしまうわけです。そしたら公式から感謝される。つまり、二次創作がクローズドな表現ではなく、公式とのリアルなオープンコミュニケーションになっているわけです。
そして、バーチャルキャラクターはいずれもライブ配信を行います。もちろん毎日ショート動画も投稿します。創作者?ユーザー?ファン?は毎日のキャラクターのリアルを知り、リアルタイムで二次創作ギフトを行うと、返事が来てコミュニケーションが成立する・・・
さらに簡易の二次創作ギフトとして、『東雲めぐ』は「HoloModels」というアプリで東雲めぐをARで表示させて、簡易的な二次創作をつくることもできます。
※グミと共に
こういった簡易的なものでも、リアルタイムに二次創作を作り、バーチャルキャラクターと『二次創作ギフト』でコミュニケーションする。
これから企業がバーチャルキャラクターを作りたい、または、アニメコンテンツとユーザーの関係値を強化したい、そういったとき『二次創作ギフト』とどう向き合うかを戦略的に考えてもいいのかなと思います。