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【「君の名は。」「天気の子」「海獣の子供」】SNSで見る、アニメ映画公開前PRの鍵は?

「君の名は。」を生み出した新海誠監督による最新作「天気の子」、
名作漫画の待望の映像化に大人気アーティスト米津玄師さんの主題歌起用で話題を呼ぶ「海獣の子供」と夏に向けてアニメ映画の公開が続いていきます。

有名俳優や人気アーティストを起用し、より一般向けのアプローチを試みるアニメ映画は一気に数を増やしましたが、その流れを作り出した「君の名は。」の歴史的大ヒットはどのように起こったのでしょうか。その要因を、SNSを通して今一度振り返ってみましょう。

歴史的大ヒットの公開前PR施策

「君の名は。」は歴史的大ヒットを謳う広告などによって、公開後に大きなブーストがかかっていた印象も強いですが、公開前からしっかりTwitterでの話題数を獲得していました。

そのポイントのひとつとしてはアーティストと作品が深く関わり、足並みを揃えてプロモーションを行ってきたことが挙げられます。

主題歌だけでなく劇伴も手がけ、制作に深く関わったのはTwitterフォロワー約100万人の大人気バンド「RADWIMPS」。公開直前には作品の名を冠したサウンドトラックでもあるアルバムもリリースし、バンドのファンの熱量がしっかりと作品にまで伝播した結果、公開前から3,000件以上の話題数(「君の名は。」を含む1日のツイート件数)を獲得していました。

今期の話題のアニメと言えば、人気作品として「進撃の巨人」と「鬼滅の刃」が挙げられると思いますが、上記2作品の放送約1ヶ月前に話題数は以下のように変化しておりました。

続編物の「進撃の巨人」のアベレージとなる話題数は「君の名は。」に近い約3000件、週刊少年ジャンプで連載し、既に原作ファンが一定数存在する「鬼滅の刃」でも話題数は約1000件となっております。

このことから、映画オリジナル作品であり新海誠作品ファン以外に、既存ファンが存在しないなかでのスタートとなった「君の名は。」の映画公開前の3000件という話題数は大ヒットの要因に大きく寄与したと言えそうです。

最新作のTwitterの動向

「君の名は。」のような話題数の変遷は他の作品にも見られるでしょうか?
「海獣の子供」の話題数も見てみましょう。

話題数が大きく増加するポイントは、やはり主題歌を手がける大人気アーティスト米津玄師さん関係の動きが大きく影響していることが分かります。

最も話題数を伸ばしているのは主題歌MV公開のタイミングですが、このMVには映画本編の映像が全編に渡って使用されており、「君の名は。」とはまた異なったアーティストと作品が深く関わっている例と言えるでしょう。

「天気の子」の話題数を見ると、まだ公開日まで日があるからかその動向は比較的穏やかでしたが、主題歌初解禁となる予告編公開で一気に10,000件以上の話題数を獲得していました。

「海獣の子供」「君の名は。」を見ても、公開1ヶ月前から主題歌アーティスト関連のトピックスによって話題数の激増が見られたので、「天気の子」もこれからアーティストと関連づいたプロモーションが増えてくるかと思われます。

夏の大作ラッシュ あなたの鑑賞の決め手は?

「天気の子」は歴史的大ヒットを記録したタッグの最新作という重要なポイントも押し出すべく、今後は「新海誠×RADWIMPS」の再来をより強調したプロモーションが重要になってくるでしょう。

他にも国際的な評価を受ける湯浅政明監督の最新作「きみと、波にのれたら」など、夏に向けてアニメ映画が目白押しです。
「君の名は。」以降、より密接になった作品と主題歌アーティストの関わり方に注目してみると、大型作品ラッシュも別の角度から楽しめるかもしれません。

 

数字で見るコンテンツの熱量 SNS上の広がり

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