武者慶佑 武者慶佑 Editor

プランナー。アニメ・声優中心のカルチャー領域に特化してやってます。/SNS・コンテンツマーケティング/sharecoto CO., LTD./日本グミ協会会長/グミとコーヒーと中野。
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コラム

"スモールマス戦略"を理解し、2019年のバーチャルYouTuberマーケティングに備える

バーチャルYouTuberのブームとバブル

バーチャルYouTuberを取り上げ始めた2018年もそろそろ終わろうとしています。この1年、バーチャルYouTuberのブームをSNSの数字と共に見ていくなかで気付いたことは、バブルはすでに終えているということです。

ただ、悪い意味ではないということを予め明言しておきます。現在も成長をしている市場であるのは間違いないため、私としては2019年もバーチャルYouTuberを絡めた企画を大切にし、市場の成長に貢献したいなと考えています。

しかし、2018年初頭を引きずり、バーチャルYouTuberはバブルだという前提で、企業様や代理店様がバーチャルYouTuberと向き合ったり立ち上げたりすると、それは現実的ではない可能性があるため、このあたりでどう向き合えばいいのかを私なりにまとめてみようと思いました。

まず、前提として、以下がバーチャルYouTuber A~Fまでの2018年2月以降のフォロワーの増加数です。

※1月を省いているのはブームが起きていて数字が大きすぎるため
※EとFはデビューの時期の都合で遅れて計測

現在でも月に数千人のフォロワーを獲得しているのは非常にすごいことではありますが、2018年1月には月に10万人前後獲得していたときはまさにバブルであり、2月以降はその増加数は下降しており、デビューが遅れたバーチャルYouTuberは10万人単位の獲得は難しく、良くても1万人といったところであると考えます。

バーチャルYouTuberのコミュニティ化

さて、その前提で1万人という規模の新規バーチャルYouTuber、および、バブル以降のバーチャルYouTuberマーケティングはどうあるべきか?ということをこの2ヵ月くらい考えていたのですが、一般的にはこれからのバーチャルYouTuberは、IPビジネスやYouTube広告ではなく、ライブ配信でのギフティングによる収入が主であると考えます。パトロン型とも思いましたが、ちょっと表現として嫌なので、以下3つの表現のどれかかなと思います。

①ファンクラブ型
②サロン型
③コミュニティ型

①~③はいずれも近しく呼び方の問題であるとも考えますが、私としてはやはり小さな商圏でCtoCを行うのではなく、IPとして強固なものになって欲しいという気持ちも込めて③のコミュニティ型を推したいなと思っています。

ここで考える③のコミュニティ型ですが、あくまでビジネス対象はコミュニティ内のファンではなく、企業やマスであると考えています。その理由は、もし①や②ないし、コミュニティ内でのビジネスを主とするのであれば、私たち代理店のようなバーチャルYouTuberを保有しない会社としてはとくに介入の余地がないため、完全に私のエゴとして、バーチャルYouTuberが企業とマスと組んで大きくIP(タレント)として成長するべきと言いたいからです。

ですので、もしIPとしてのマス化を狙うのではないという場合は話が合わないことをご了承ください。

スモールマス戦略と先手必勝

さて、前置きが長くなりましたが、簡潔に一言でまとめますと、
「1万人のコアファンを抱えるバーチャルYouTuberがマス化するための方法」
の話をします。

その際に必要な考え方が「スモールマス」という考え方です。スモールマスとはもともとはメーカーの花王さんが社内的に言い始めたことらしいのですが、徐々に一般化しつつあるマーケティングトレンドだと思います。

ではスモールマスとは何か?

スモールマスとは、コミュニティのファン同士の会話から消費が生まれていく状態のことを指します。マス市場がなくなり、スモールマスと呼ぶ一定の規模を持つ市場が数多く生まれているという昨今、デジタル上のその小さなスモールマスの会話をヒントにデジタルに特化した大きなプロモーションを仕掛けるという感じでしょうか。

会話と言うのは基本的にはデジタル上のクチコミが主です。花王の記事を見ていますと、本来でしたら企業がスモールマスを仕掛け、情報投下と商品投下のマーケティングプロモーションを行うというのが主ではあります。

ただ、ここでお話したい、私が考えるスモールマスは先手を取ろうというものです。つまり、バーチャルYouTuberが企業より先に企業が欲しいであろうスモールマスを作っておくといことです。

バーチャルYouTuberのファンは熱量が高いため、非常に多くのクチコミを発生させてくれる傾向があります。ゆえにスモールマスの発生と相性が良いのではないかと考えます。

バーチャルYouTuberはソーシャルリスニングにより、スモールマスの片りんを見つけ、または予め仕込み、コミュニティマネージャーとして立ち居振る舞うことで、その会話を促進し、会話の質と量を並行して上げていく。

そうすることで、ファン同士の会話の輪が広がり、濃度も非常に高く、結果として、いざマス企業やメディアがその領域で何かをしようと思ったときにクチコミのきっかけとしてそのコミュニティを無視できない状態になる、これこそがスモールマス戦略を理解しておくことの醍醐味であると考えます。

東京タワーのバーチャルYouTuberといえば?

この上記の表題の問に対して、もし「東雲めぐさん」が浮かんだのであれば、スモールマス戦略の第一歩としては大成功だと思います。
※東雲めぐさんはバーチャルYouTuberではないのはもちろん知ってます

東雲めぐさんはファンである「めぐるーまー」のみなさんと強いリレーションを築き、毎日のSHOWROOM配信において、コミュニティを強固なものにしています。実際、フォロワー数に対してファンの方の月間クチコミ率65%という圧倒的に高い数字を出しています。
※29,000人のフォロワーに対して、18,850件のクチコミが出ているという計算です

東雲めぐさんといえば、SHOWROOMERですが、その中で視聴者によるギフティングのモチーフとしておなじみ「東京タワー」のイメージがあります。実際、東雲めぐさんの初のファンイベントは東京タワーで行われ、天の川イルミネーションのアンバサダーも東雲めぐさんが勤めています。

東京タワーというマスのものと、東雲めぐさんはすでにファンの中で、強固に結びついているのではないでしょうか?それであれば、もし企業様や代理店様が、「東京タワーに登ろう!」というプロモーションを行おうと思ったときに東雲めぐさんが形成したスモールマスを一つの軸に、めぐるーまーの方のコミュニティと連携した企画もあっていいのではないかと思います。

一般的には企業が何かプロモーションを仕掛けようとしたときにはデジタル上のクチコミを調べます。その際にバーチャルYouTuberコミュニティが主となり、「〇〇といえば」というスモールマスを形成できていると、その可能性は一気にマスの可能性に広まっていくのではないかと思っています。

スモールマスの選び方

では、バーチャルYouTuberはどんなスモールマスを選定すればいいのか?花王に取り上げてもらうためにコスメネタなどでしょうか?それは違います。

コスメはバーチャルの特性を生かせません。バーチャルYouTuberだからできること、テクノロジー的な側面や、ライブ配信ゆえの側面など、オリジナリティは持ったほうが良いでしょう。

まずは、皆さんの抱えるバーチャルYouTuberの中にスモールだけど確実に市場を形成できる何かを1万人のコミュニティの中からソーシャルリスニングするところから始めるといいのではと思います。

サントリーの燦鳥ノムちゃんや、ロート製薬の根羽清ココロちゃんが企業としてのスモールマス戦略の一端を担ってるのかを今後は調べていきたいなと思っています。

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