
Indeedに学ぶONEPIECEコラボ設計の正しさ
お正月はテレビCMが面白い。
お正月のCMと言えば、車やビールに加え、最近はソシャゲや、アプリなどのCMが多いですよね。そして後者はつくづくSNSを前提にしたCMが多いなと思っています。
そんなSNSを踏まえたCMの中で個人的に秀逸だったのはIndeedのONEPIECEのCMです。
コアファンをつかむ構造
全体構造としてはワンピースの世界観を踏まえ、仲間集めをしており、実際にIndeed内での検索でキャラクターごとに仕事を募集しています。
※サンジレシピ開発で検索するとこんな感じです
そもそも麦わらの一味が仲間を集めるといった作品に沿ったコンテクストを踏襲しており、
さらにWEBで見ることができる号外新聞もONEPIECEの世界で実際に出てくる内容や、ちゃんとニュース・クーになってたりと。僕のようなコアなONEPIECEファンは隅々まで楽しむことができます。
認知と熱量は違う。大切なのはONEPIECEでライトにバズるかどうか
ただ、僕のようなONEPIECEコアファンは、ぶっちゃけどんなコラボでもある程度はついてくると思いますし、WEBも見て、号外新聞も印刷しちゃうくらいには反応します。今回、僕がIndeedの企画を通して正しいと思ったのは、細部のコアファン向けのコンテクストではありません。
ONEPIECEでちゃんとバズらせることができていることにその本質があると思っています。
以下、「ワンピース」を含むTwitterの話題数なのですが、通常時で約10,000件の話題が出ており、アニメ放送時、ジャンプ発売時に15,000件、30,000件を超える大きな山が発生しているときは映画の発表や、スペシャルアニメ放送時、単行本発売時など、原作が大きく動いたときに発生するのです。
ただし、この30,000件の話題数というのは、深夜帯の人気アニメの数字に比べると決して高いわけではないのです。もちろん低いというわけでもない。例えば2018年10月クールの人気アニメ「ゾンビランドサガ)や「SSSグリッドマン」と比較した数字が以下です。
※12月23日にワンピースが高くなっているのは有馬記念のブラストワンピースの影響です
しかし、ONEPIECEの認知度は、もちろん「ゾンビランドサガ」や「SSSグリッドマン」より高く、国民のほぼすべて、なんなら世界レベルで圧倒的ですよね?
つまり、何が言いたいかと言いますと、ONEPIECEは認知度こそ世界レベルですが、熱量という点では、深夜帯の期間を絞った熱量よりは低いのです。これが、小見出しにも書いた、認知と熱量の違いです。僕たちがバズという場合、一般的には熱量を指します。
ONEPIECEのコラボでバズらせる第三要素
さて話を戻しまして、IndeedのONEPIECEコラボがなぜ素晴らしいと思ったのかと言いますと、以下、2018年でONEPIECE公式からツイートされた「コラボ」を含むツイートのうち、RTが多かったものを抜粋したのでご覧ください。
何か見出せましたでしょうか?
僕的に、ここから見いだせる傾向として、「杉田智和」「安室奈美恵」「佐藤大輔」「GReeeeN」「小池徹平」「カナヘイ」といった第三要素としてのタレントのバズが入っている傾向が強いのではないでしょうか。
つまり、ONEPIECEでバズらせるには、バズのフックとなる第三要素の追加(タレントなど)が必要であると考えます。
その上で、Indeedのコラボを見てみましょう。「Indeed」を含むTwitterの話題数、「Indeed ワンピース」を含むTwitterの話題数はもちろんのこと、CMを通してONEPIECEのキャラクターの実写化で起用されているタレント名がCMのフックになっていることがわかります。
※斎藤工さんは、めざましテレビ時とシンゴジラ時に話題が増えています
特に、泉里香さんはバキバキに作ってきた腹筋とそのコスチュームからナミとの相性ばっちりで、絵映えもするのでメディアも大きく取り上げ、話題数が最も高くなっています。
ONEPIECEアニメ化20周年に向けて
2019年はONEPIECEのアニメ化20周年です。その1発目?のコラボ企画であるIndeedのCMがONEPIECEのバズのセオリーを思いっきり踏襲している。この点、非常に良くできたものであるなと思いました。
もちろん、タレントパワーだけでなく、僕のようなONEPIECEコアファンが反応するしっかりと作品のコンテクストと世界観を踏襲した企画の細部は重要です。あくまでタレントさんはフックです。
ONEPIECE 20周年を応援する一人のファンとして、一人のプロモーションプランナーとして、大きな作品とのコラボをする上での素晴らしい事例だなと思ったため、書かせていただきました。
今後大きな作品とコラボをする場合は、その認知と熱量をしっかりと分析し、何が最も作品とコラボする上でバズのフックとなるのかを見極めて企画を作る必要があると考えます。
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