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話題になったアニメコラボを調べたら、成功の要素が見えてみた。

SHAREPOPでは、アニメコンテンツのSNS分析、コラボレーションのプランニングを行っておりますが、アニメコラボが増えてきた昨今、単なる掛け合わせ的なコラボでは話題になりづらくなってきていると感じています。

成功するコラボにはどんな法則性があるのでしょうか。
話題になったアニメコラボの事例を集めてみると、「作品理解」「意外性」といったキーワードが見えてきました。

作品理解が秀逸なコラボ

作品のストーリー、世界観、ファン属性等をきちんと理解していて、それが表れているコラボです。

東京喰種カフェ


喰種という化け物になり味覚が変わってしまった主人公が、サンドイッチを食べた時のセリフ
「パンは無味無臭のスポンジみたいでッ…
レタスは鼻の奥まで青臭いし…ッぐ
チーズなんか乳臭くて粘土みたいな食感だ…!」

を再現しています。
主人公が普通の食べ物が食べられなくなったとわかる印象的なシーンを、高いクオリティで再現したことで話題になりました。

遊戯王カフェ

作中に登場する1杯3000円のコーヒーがメニューにあり話題になりました。
原作通りの高級なコーヒー豆を使用し、コーヒーが出てくるシーンを再現するために必要なグッズもついています。コラボメニューということを加味してもコーヒー1杯にしては高すぎる値段設定ですが、コラボメニューにしかできない原作再現でもあり、ファンには好意的に受け入れられました。


その他のメニューも原作を再現したり、作品内容を活かした要素が多くあり、正に「遊戯王じゃないとできない」コラボカフェになっていました。

マルイ×おそ松さん

こちらは弊社もお手伝いさせていただいた事例です。
おそ松さんとのコラボですが、女性向け商品なので主役ではなく、作中に登場する「じょし松さん」を中心としたコラボになっています。
マルイ×じょし松さん|ラクチンきれいシューズ松さん
いかにもそのキャラが答えそうな「偽インタビュー」により、ファンにも好意的に受け入れられ、キャラクターのいる作品世界と商品のある現実世界を繋げることにも成功しています。


こちらの事例については、こちらの記事でも紹介しています。

これらの事例を見てみると、「どんなストーリーか」「どんなキャラか」といった表面上の情報だけではなく、「ファンが求めているもの」「作品の好かれているポイント」「ネタとなって拡散したいと思ってもらえるポイント」まで含めた、トータルでの作品理解が深いことが分かります。

 

②意外なコラボ系

一見、キャラや作風がコラボに向いてなさそうな作品とのコラボするパターンです。
やってはいけないコラボを一緒に盛り上げる「共犯感」をファンに感じてもらう事と、「コラボに向いていなさそうなのにコラボしてる!すごい!」といった驚きが重要なので、実はより深い作品理解が必要です。

マイナビ転職×ヒプマイ

人気声優が演じるイケメンキャラがラップバトルを繰り広げる作品、ヒプノシスマイクの観音坂独歩と、転職サイトのマイナビ転職がコラボした企画。
マイナビ転職のTwitterアカウントにリプライをする形で、ファンが仕事の悩みについて特定のハッシュタグをつけ投稿すると、マイナビ転職編集部がラップのように韻を踏んでリプライをするという凝った内容となっています。


コラボしている観音坂独歩はネガティブな社畜キャラで、作中で頻繁に会社への不満をこぼしています。

社畜であることがアイデンディティーのキャラクターと、転職を応援する会社のコラボ企画に、ファンからは「まずお前が転職しろ」との突っ込みが飛び交い、ファン熱量がしっかりと刺激されています。

 

コラボで大切なこと

コラボ成功事例を集めていくと、「作品理解が秀逸なコラボ」や「意外なコラボ」をするにあたって、以下の3つが見えてきました。

作品を大切に

作品の世界観やキャラクターのイメージ、さらにはコアファンが反応するようなネタ的な内容まで、作品に対してリスペクトを持って理解することが大切です。作品への理解度が低ければ、作品は消費的なコラボとなることが多く、またファンもそういったコラボにはネガティブに反応してしまいます。

ファンを大切に

ファンがどんな層か、ファンの共通理解は何かを把握することが大切です。
ファンに寄り添ったコラボでなければ、ファンの作品への熱量はコラボに伴いません。
作品ファンは作品にお金を払う事は受け入れますが、関係ないものにお金を払いたいわけではないため、ただ単にアニメと商品を掛け合わせただけではこの時代のコラボは成立しないでしょう。

自社を大切に

作品とコラボ先が、何故コラボをする必要があるのか、はっきりとさせることが大切です。
必然性が語られていないコラボに、ファンは反応を示しません。

雑なコラボへの不信感

コラボというだけでは話題になりづらくなっており、それどころか「コラボ商品は雑で商品の質が悪いことが多い」という風潮も存在します。


本来、商品やサービスを知ってもらったりポジティブな印象を抱いていただくためにコラボを行いますが、内容によっては逆にネガティブなイメージを持たれてしまうこともあります。
このような結果にならないために、作品理解と世界観構築を大切にしたコラボを行いたいものですね。

SNSにおけるアニメ作品の反響分析

 

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