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バ美肉ナイトクラブに学ぶ”局所トレンドはスモールマスになるか?

“バ美肉”という言葉をご存知でしょうか。
バ美肉とは「バーチャル美少女受肉」の略で、男性がバーチャルの世界で美少女になることを指します。アバターとして美少女の体を使うだけでなく、ボイスチェンジャーなどを使用して精度を高める人もいます。
バーチャルYouTuberは”バーチャルのじゃろり狐娘YouTuberおじさん”のねこますさんを開祖としていることもあってかバ美肉はわりとポピュラーで、各々が自分の好みの美少女を体現するというバ美肉ならではの独特の魅力があり、最近では簡単にアバターをつくれるサービスの登場によって誰でも気軽にバ美肉出来るようになったことで勢いを増しているジャンルと言えます。

そしてその勢いを象徴するかのように2018年10月31日、ハロウィンの喧騒に包まれる渋谷の一角でバ美肉おじさんをメインとしたリアルイベント「バ美肉ナイトクラブ」が開催されました。
ポピュラーとはいったものの傍から見ればかなり特殊なバ美肉の世界。その最前線には一体どんな景色が広がっていたのでしょうか。

こだわりと勢い バ美肉フロントライナーが語る受肉のコツ

今回のイベントに登壇されたバ美肉おじさんは魔王マグロナさん、兎鞠まりさん、竹花ノートさんの3名。どなたもイラストレーターとしても活躍していて、自分の体は自分で用意したといういわゆるセルフ勢です。

魔王マグロナさんはバ美肉界のリーダー的存在で、チャンネル登録者数も約4万人とトップクラス。

兎鞠まりさんは見た目が特に幼く、声も特徴的でバ美肉おじさんの中でもロリ系として人気を博しています。

竹花ノートさんはにじさんじの静凛さんと家長むぎさんのキャラクターデザインを務めており、バーチャルYouTuber界隈ではデザイナーを”ママ”と呼ぶこともあってファンからも”ノートママ”と呼ばれて愛されています。

かわいいおじさん3人衆。お膝元にはファンからの献上品も

それぞれ呼び込まれてステージに登場すると会場からは大きな声援があがりました。特に竹花ノートさんの登場時には「ママー!」の大合唱で、早くもイベントは熱気を帯びてきます。
3人とも声がとても可愛く、なにも知らないで聞けばアニメ声の女性と思ってしまうのでは?というクオリティ。しかもその上で3人それぞれ聞き分けられるレベルで声に個性があるので、テクノロジーの発達を感じさせられます。

バ美肉界で多大な影響力を持ち、今回のイベントでもセンターに座する魔王マグロナさんは「ハロウィンの渋谷におじさんたちがおじさんを見に来るなんてトリックってレベルじゃないんだよなぁ」と改めてイベントの特殊性に言及すると共に開会を宣言しました。

改めてそもそもバ美肉とはなんなのかと問われると、元々はイラストレーター同士でワンナイト人狼をやるという企画が持ち上がった時に、バーチャルYouTuberが流行っている時勢もあってせっかくなら各々美少女を描いてアバターにしようとなったことが起源であるらしく、その時の企画名が「バーチャル美少女セルフ受肉おじさんワンナイト人狼」、略して「バ美肉おワ人狼」だったことから転じて「バ美肉」となったそうです。
なので最初のうちは受肉する美少女のイラストおよびアバターをセルフで用意するという意味合いも含まれていたのですが、最近のアバター製作ツールの普及や他者へ依頼してアバターを用意する人も増えてきた中でセルフの意味合いはなくなっていったと解説していただけました。

続いてバ美肉する際のコツについて聞かれると、「とにかく顔を可愛くすること」と魔王マグロナさん。活動のモチベーションはなにより自分が可愛いことだそうなので、そこはこだわりぬいたほうがいいと語りました。兎鞠まりさんは特に”揺れ”にこだわっているそうで、静止画と違い動きのあるバーチャルアバターで可愛さを演出する為に、そうしたならではの要素にこだわった方がいいとテクニック的な面にも言及。とはいえとりあえずやってみる勢いが大切と語ったのは竹花ノートさん。ご自身も思い立ってからすぐに絵を描いてバ美肉デビューしたということもあって、とりあえずやってみることが大切と説くと、会場からも「やります!」といった宣誓の声があがりました。

KAWAIIの真髄はバーチャルにあり


三者三様のこだわりを伺ったところで企画へ突入、その名も「バ美肉KAWAII決定戦」
登場してからもその言動の可愛さから会場を大興奮させてきたお三方ですが、この企画では指定されたお題に沿った台詞でその可愛さを競いました。
仕事終わりでの参加という方も多いこともあって指定されたのは「おじさんたちを労う癒しの言葉」。それぞれ恥ずかしがりながらもキャラクターを活かした台詞を披露すると、あまりの可愛さに会場では感激の声が。甲乙付けがたいカワイイのぶつけ合いの中、優勝したのは「あたまぽんぽんしてやろうか?」と絶妙に疲れたおじさんたちのツボを突いた魔王マグロナさんでした。

つづいては参加者からの質問のコーナー。特にバ美肉おじさんの中でお気に入りはいますかと問われた竹花ノートさんは、自分の趣味が詰め込まれているのでなんといっても自分がお気に入りと答え、クリエイターならではの視座とこだわりがうかがえました。その後も竹花さんは質問が思いつかないので愛の告白をしていいですかというファンからの真剣な告白を受け、特殊なイベントの特殊な質問コーナーは特殊なまま終了しました。

かなりマニアックな問題も出題されたクイズ、バ美肉検定と成績優秀者へのグッズ贈呈を経てイベントはエンディングへ。
最後のあいさつとして魔王マグロナさんは会場へ集まったバ美肉ファンに感謝を述べ、「わけわからんところから始まって、わけわからんままこんなイベントまでやるようになったけど、みんなでもっとわけわからんくしていこうな」と終始カオスだったイベントを締めくくりました。

地獄のような禍々しさと熱気

会場となった渋谷のSHOWROOMイベントスペース。当日はハロウィンで人の往来も多く、写真を撮っていく人もたくさんいました。

魔王マグロナさんはご自身のチャンネルについて「おじさんが自分で絵を書いて自分で動かしたLive2Dの体に受肉して更に自分で声帯を弄って声を当てた地獄のようなコンテンツです。」と語っています。
確かにそうして要素を並べられると地獄と形容するに相応しい禍々しさがあるとも言えます。しかしそんな地獄のようなコンテンツからはじまった地獄のようなムーブメントが昼夜合わせて140人以上のファンを平日の渋谷に集め、ハロウィン当日の熱狂のなかTwitterトレンドにも入るほどの大盛況をみせたことはバーチャル的にもエンターテイメント的にも歴史に残る出来事になったと思います。

バ美肉は実際かなり特殊なテーマであるもののその特殊さ故にこうしてリアルイベントを成功させるほどの局所的なトレンドを生み出すことに成功しています。こうした局所的なトレンドの活用法としては、その特殊性に着目しウェブならではのターゲットセグメントに繋げることもできるのではないでしょうか。

双璧の肉王 ザ・ダブル | KFC

また最近の事例としてケンタッキーがSNSで面白がられそうな中二病的なテーマで新商品PRを行いしっかりとTwitterでの盛り上がりを生み出していたように、相性はかなり考えなくてはいけないもののこうした特殊な施策でもターゲットを絞り込んだ上で局所的なトレンドを生み出すことは可能だと言えるでしょう。

今回のバ美肉ナイトクラブはこれまでSHAREPOPで取り上げてきた東雲めぐちゃんのような事例とは大きく異なるものの、コミュニティ活性によるスモールマスの発生という意味合いでは非常に類似性の高い事例といえ、ファンイベントとして非常に有意義であっただけでなく、バーチャルYouTuberとマーケティングの相性を考える上でもかなり重要な機会になりました。今後もバーチャルYouTuberとマーケティングの在り方を考えていきたい我々としては、禍々しさも有用性も想定以上であったと言わざるを得ません。

今回はそんなバ美肉についてお届けしました。バーチャルならではの愉快で不可思議な世界を一度体験してみるのもいいかもしれません。

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