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アニメ「鬼滅の刃」が2週連続ミニシアターランキング1位になった理由

以前、SHAERPOPの記事では2019年春アニメの1話は「鬼滅の刃」(以下「鬼滅」)が、1番Tiwtterで話題になったことをお伝えしました。

TV放送に先行して公開された劇場版「鬼滅の刃 兄妹の絆」が2週連続でミニシアターランキング1位を獲得するほどのヒットを記録した事も要因の一つとして考えられますが、そもそもどのようにして劇場版の動員数を増やしたのでしょうか。
今回は、鬼滅で見られたプロモーション施策の中でも劇場プロモーションについて紹介します。

そもそも「鬼滅の刃」とは

「鬼滅の刃」は週刊少年ジャンプで連載中の漫画で、単行本1巻~14巻の累計発行部数は350万部を突破するほどの人気作品です。

アニメ化にあたっては、そのクオリティの高さからアニメファンの間でも評価が高い「ufotable」という会社が制作を担当しています。「ufotable」の作品だから見るという声も見られました。

アニメ放送前の劇場版

鬼滅の1話TV放送は4/6ですが、放送開始1週間前の3/29から映画館で、TVアニメ第1話~第5話で構成される特別上映版を放映していました。
公開3日で動員数1万人、初週のミニシアターランキングでは1位を獲得するほど多くの原作ファンが劇場版を見ています。

TVアニメ放送前に特別上映版を見た原作ファンは、原作を大切にした作画、演出、音響などの出来に感動し、劇場版の感想を熱く語り、作品のプレゼンをします。


感想ツイートの内容が多少カオスで訳が分からなくても、勢いがあればあるほど、熱い本音の口コミとしての信頼が高まる傾向が高いのがTwitterです。
熱いツイートを見た「鬼滅ファンではない人」は、作品の名前を認知し「そこまでオススメなら…」と、ひとまずアニメ1話を視聴します。

アニメ放送後の劇場版

累計発行部数350万部の原作の面白さと、制作会社自体にファンができるほどのufotableの作画。
早く続きを見たくなり、まだギリギリ放映している特別上映版を見に行きます。


このようにして、「鬼滅の刃 兄妹の絆」は2週連続でミニシアターランキング1位を獲得し、作品全体の新規ファン層の開拓へと繋がったと考えられます。

もちろん、1話を見た全員が劇場に足を運ぶわけではありません。
ですが劇場版はTVアニメ視聴者を増やし、ファンになりえる人を増やすのに大きく貢献したと言えるでしょう。

「映画を観た人が熱いプレゼンをすることで新規ファンが増える」という流れはアニメ作品以外でも見られるものですが、今回と似た動きとして「キンプリ」のケースもご紹介します。

キンプリとは

「キンプリ」とは正式名称を「KING OF PRISM」という、女児向けアニメである「プリティーリズム・レインボーライブ」に登場する男性キャラの、女性向けスピンオフ作品です。

「KING OF PRISM」としての初作品は、2016年1月に劇場公開された「KING OF PRISM by PrettyRhythm」でした。
元となった作品が女児向けアニメという事から、元々多くの女性ファンがいる作品ではありません。

そのため、5枚綴りの鑑賞券販売などリピーターに向けた施策となっていました。

 

カオスな感想マンガと「キンプリはいいぞ」

結果として熱心なリピーター層を形成することに成功しますが、それだけでなくファンの中には熱くて勢いのある感想と共に「キンプリはいいぞ」とプレゼンを始め、感想を漫画にして投稿する人も現れました。

熱くて勢いのある感想をツイートできる空気が生まれた

感想マンガのカオスさが逆に「ツイートの内容が多少カオスで訳が分からなくても、勢いがあればあるほど、熱い本音の口コミとしての信頼が高まる」というTwitterの傾向とマッチし、多くの「ファンではない人」に届きました。

そして映画を見た後にツイートする感想は、それまで見たキンプリ感想と同じように、カオスで勢いがあって熱いものでした。

このように、熱い感想ツイートを見る→気になってキンプリを見に行く→見た後熱い感想ツイートをする→そのツイートを他の人が見る… という連鎖を繰り返し、新規ファンを獲得していきました。

多くの新規ファンを獲得した結果、続編の映画やミュージカルへの展開もされ、ついに2019年春からTVアニメ「KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-」の放送が開始しています。

今回は「映画を観た人が熱いプレゼンをすることで新規ファンが増える」という、劇場とTVが連動したプロモーションの例を紹介しました。
今後もアニメ等のプロモーションに、テレビやネットだけではなく映画を使用する例が出てくると考えられます。楽しみですね!

SNSにおけるアニメ作品の反響分析

 

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